「留学・ワーキングホリデーの知っ得情報」

留学実現の最後のハードルがビザ申請です。 これまで10年以上、留学・ビザ手続きに携わった「過去の経験」と「最新の情報」をバランスよく掲載し、皆様の留学準備に役立てていただければ幸いです。

2015年11月

「続・転機 オーストラリア留学をしていた青年の挑戦」

今回は実際に私が留学中に出会った青年の話を書いてみます。


その彼は、ブリスベンにあるスクールに通っていました。
そのスクールは日本の高校を卒業して、あまり決まった進路もなく、目標もなく、
なんとなく留学という人が多くいたように思えます。彼もそこに通って2年目だったのかと思います。


出会った初めの印象は学生ビザの留学ではなく、ワーホリで来ているかのように映りました。
それは英語力もそうですが、学びに来ているというより遊びに来ているというように見えたからです。
(念のため、全てのワーホリがそうとは言いません。あくまでも私のその当時のイメージです)

学校が終わると飲みに行って、カジノへ行って、センターモールで時間をつぶして、そんな日々を過ごしていました。
唯一、楽しんでいたのはサッカーで、それが私との共通点でした。
近くにあるインドアスポーツセンターでフットサルのようなものを週2日ぐらい行っていて、
近隣のスクールとの大会などあり、その時は生き生きとしていました。
高校までずっと部活でサッカーをしていて、唯一心から楽しめるものだったのかもしれません。
そこには彼と同じような青年が約10名ぐらいいたかと思います。

ひょんなことから彼らと一緒にその大会に出ることになり交流の場は増えました。
少し年上で、社会経験もありそんな自分を近所の兄さんのように慕ってくれた2名がいました。
もちろん彼がそのうちの一人です。

色々な話をするうちに彼が思いを打ち明けてくれて、
「実は何してるんだ自分と思うことがあります。なんとなくでオーストラリアに留学で来て、
特に明確な目標もなく日々海外生活をしているというだけの自分。だからそこまで英語も成長しているわけでもない。
ただ親に出しているお金はたくさんかかっている。これでいいのかと・・」

まさに自分にはそう見えていたし、自身でもわかっていたのです。
私は自分の経験を交えて色々な話をしました。そして選択肢は二つあるんじゃないかと伝えました。
一つは来てしまったのだから卒業はしてその間に何かを見い出す、
もう一つは何かもっと打ち込めるものがあるならスパッと切り上げて日本へ戻る。

彼は色々考え後者を選択しました。
「自分が好きなのも、今まで一番努力したのもサッカー。なのでサッカーに携わる仕事がしたいです!」
かれは力強く言いました。その時の目は今までとは違っていました。

それから彼は日本に帰り勉強をし日本の大学に入り、必死に学びました。
私もワーホリの1年を終え日本に帰国し、度々連絡を取り合いました。
彼が目指したのはスポーツトレーナーで、そしてサッカーチームのトレーナーになるのが目標でした。

そして今現在彼は何をしているかというと・・、
目標を実現しJリーグのトップチームのトレーナをしています。目標を叶えたのです!

今、Jリーグの最高峰リーグに上るための最後のペナント争いをしています。

出会って彼に小さなきっかけを作れたことを嬉しく思い、そして彼を誇りに思います。


オーストラリアに行ったのが遠回りという人も、オーストラリアの学校を途中で投げ出してという人も、
様々なことを思う人がいます。
ただ、自分はオーストラリアに留学したことに意味は必ずあると思うし、
前回に述べた「留学は目的でなく手段である」、それを彼は実行したと思います。
ただ、それも立てた目標を実現した彼がいるからこそです。

彼は言ってました、「あの時オーストラリアではやり切ることはできなかったけど、
それでも少し出来るようになった英語で外国人選手とコミュニケーションが取れる。
トレーニングをする上でそのコミュニケーションが取れることは重要です。
自信を持って言える留学ではないですが、やっぱり意味はあったんですかね(笑)」

留学中に色々悩むことはあると思います。
留学期間を完結する、そこで成果を出すのが一番だとは思います。
ただ、悩み完全に立ち止まるよりは、悩みながら少しずつ進む方法もあると思います。

これも一つの留学の「転機」であり形かと思います。


そしてもう一つ。
この彼との関係が今の仕事に興味を持つ一つの理由になったことは確かです。
私にとっても転機だったのです。


「ワーホリWEBにて連載をしています。こちらも掲載した記事です」

ワーキングホリデー留学の転機

「留学にまつわる転機」

ワーキングホリデーや長期留学から帰国されて一番心配されるのは仕事かと思います。

渡航前の実務経験や英語スキルがある方は別として、多くの方が就職活動に悩みます。


やはり皆さん口にされるのは「ワーホリ経験を活かして英語の使える仕事に就きたい」と言われます。
冒頭に述べた渡航前からスキルがある方を除いて、
渡航前に十分な英語力がなく1年のワーホリで帰国された方が、英語を活かせる仕事に就けるのは、
たぶん全体の10%にも満たないと思います。

色々な視点や要因がありますが、やはりワーホリの1年での経験と英語力では、
「英語力を活かして仕事」というレベルには不十分なことが多いかと思います。
やはり、学生ビザで1年間通学して語学力を磨いた人には叶いません。

そこでどうしたらその約10%に入れるのか、または入った人の例として、
自分の経験を書いてみたいと思います。

まず自分自身は渡航前に英語が出来たわけではないですし、むしろ好きではなかったです。
本当に出来なかったですね・・
多くの方をカウンセリングしましたが、自分より出来ない方はめずらしいぐらいのレベルです。

現地に着き語学スクールに行くと、やはり一番下のクラスで、その中でも出来ない方でした。
初日のクラス分けテストで上のクラスに行く人を見たら、スタートラインの違うことを痛感しました。

そして数週間通学する中で思いました。
「同じ時期に到着した人とは同じ時期に帰国する。英語を活かした仕事を探せば、
この人たちと比較になる。そうなったらこのスタートの差は埋まらない・・。よって仕事には就きにくい」

もちろん日本は広いので同じ土地とは限らないですが、大まかな思考ではそう考えました。
中には人の何倍も努力をして、1年で驚くほどの英語力UPをする人も実際にいます。
ただ、その時の自分には何としても英語力ではありませんでした。

そこが留学における1度目の転機です。

前に書いた、「留学は手段であり目的でない」という考えからです。
自分の目標・目的は帰国後に1年のワーホリ経験を活かした仕事・活動をすることです。


そしてワーキングホリデーは何かと考えた時に、他のビザにはない特性がこのビザにはあり、
その一番は現地で堂々と就労が出来ることです。
その強みを最大限に活かそうと考えました。

もちろんそのためにも最低限の英語力は必要なので勉強もしましたが、
人よりは確実に少なく、その時間を「オーストラリアを知ること、外国で働くこと」に重点を置きました。
結果、ここに書けないような経験も色々しました。
(と言っても法に触れるような変なことは一切していません)

その一つの例がカジノ巡りでした。オーストラリア全土のカジノ全てに行きました。
カジノというと印象はよくないかもしれないですが、目的は賭け事をするわけではなく、

VIPルームに行き、そこにいる人の観察です。
観光客、オーストラリア人を除くと、その都市で力の持つ移民、外国人がVIPルームにはいます。
確かに中国人はどこの都市にもいましたが、明らかに都市により特色がありました。
経済的な力があるという視点で見ると、やはり何かしらのビジネスで成功をしています。


それが何に活きたかというと、仕事探しです。
自分のように英語力がない人間が面接を通るには、人間性・やる気をアピールするしかないです。
その際に、単にオーストラリア人オーナーの仕事場より、この力のある外国人・移民の仕事場の方が、
「同じように外国から来ている」という点からか熱意が理解されやすかったのです。

全てが上手くいったわけではないですが、自分の英語力では通らないような様々な仕事をすることが出来ました。
結果、そこには日本人があまりいないので英語力UPにもつながりました。


あくまでも例ですが、ワーキングホリデービザの特性を活かせば、仕事につながる経験も得られます。
これは帰国後の就職活動でも同じことは言える気がします。

英語を活かせる職場を探せば、アメリカやイギリスの大学を出たというスキルの高い人がいます。
その人たちにワーホリ1年の英語力で勝負するのは難しいです。
「ワーキングホリデーじゃ限界がある・・」ではなく、ワーキングホリデーでしか出来ない経験を強みにして、
自分なりの視点を持ち、人とは違う経験を探せば、日本での仕事場探しにつながると思います。

留学中の転機が、帰国後今の仕事をする転機にもつながっています。

帰国当初はそれを忘れ、同じように英語を活かせる仕事を探していました。
そうするとまずは英語資格のスコア等で書類面接すら通りません。

そこで、留学中の転機を思いだし、
「そうだ、自分は1年の経験での英語力を活かした仕事という土俵ではなく、
英語を使える場所を得るためにした経験を活かした仕事をしよう」
と考えを変えました。
それが大きな転機となりました。

留学を勧めるカウンセラーの多くは英語が好きな人がなっています。
でも、英語が出来なく、さして好きでもない人間が、それでも海外で様々な経験が出来た。
そんな人間が勧める留学があってもいいのではないか。
英語が出来なくても海外に行きたいと思っている人は少なくない、
そんな人たちにはむしろ同じ境遇の自分の方が背中を押せるのではと思いました。

そして今の留学カウンセラーの仕事に就き、今も続いています。

ワーキングホリデービザの良いところは、自分が求めれば現地で何度も方向転換が出来、

現地での経験で展開が変わることです。自分で転機を作れることです。
1年分の通学スクール・コースを決めて渡航する学生ビザでの留学とはそこが一番違います。

是非、皆さんも自分なりの視点で転機を作り、帰国後に来るべき転機に活かせるような経験をしてみてください。

(ワーホリニュースにて定期連載をしています。掲載記事です)